新沢千塚古墳群は奈良県橿原市に所在し、その名の通り600基を超える古墳が密集する全国有数の古墳密集地帯である。5〜6世紀に集中的に築造された円墳・方墳・前方後方墳からなるこの古墳群は、古代の葬送習慣と地域社会の構造を知る上できわめて貴重な遺産だ。特に注目されるのは、126号墳から出土したガラス製碗・金製指輪・金製垂飾などの副葬品で、その一部はペルシャ(現在のイラン)など西アジア由来のものと判明しており、5世紀の日本がシルクロードの終着点としての顔を持っていたことを証明する発見として世界的に有名になった。橿原市の藤原京に隣接するこの地は、古代政治の中心地のすぐ近くに広がる民衆の葬送地でもあり、支配層のみならず中小豪族や有力農民の墓も含まれると考えられている。現在は史跡公園として整備され、多くの古墳を散策しながら見学できる。