久米寺の創建について寺伝は7世紀前半に聖徳太子の弟・来目皇子が眼病平癒を祈願して建立したと伝える一方、平安時代成立の『今昔物語集』『日本霊異記』には空を飛ぶ術を会得した久米仙人が女性の白い脛に見とれて神通力を失い、寺の建立に貢献したという伝説が記されている。考古学的には7世紀後半の創建とみられ、飛鳥時代の伽藍配置を示す塔の心礎が現存する。9世紀初頭、唐から帰朝した空海が東塔下で『大日経』を感得し、これが真言宗開創の契機となったと伝わるため、真言密教発祥の地として崇敬されてきた。中世には興福寺・東大寺の支配下に置かれた時期もあったが、独自の信仰圏を維持。江戸時代には京都仁和寺の御室派寺院として再…