臨済宗南禅寺派は京都・南禅寺を本山とする臨済宗の一派で、かつて日本の禅宗寺格の最高位「五山之上」に置かれた名刹の流れを引く宗派である。龍巖寺はこの南禅寺派の法脈を受け継ぐ禅寺として神宮前に根付き、「龍が巖(岩)をしっかりと守る」という力強い名のもと、禅の剛健な精神を体現している。神宮前は現在こそ表参道・原宿の洗練されたエリアとして知られるが、明治神宮造営(1920年)以前は台地上の農村地帯であった。龍巖寺はそうした神宮前の変容の歴史を見守りながら、臨済宗南禅寺派の禅の伝統を守り続け、地域住民の精神的な拠点として機能してきた。現在も神宮前の住宅地において静かに禅の法燈を守っている。