慈眼院は1500年(明応9年)頃に創建されたと伝わる真言宗の寺院で、さいたま市中央区本町西に位置する。寺号「慈眼院」は、慈悲の眼差しで衆生を見守る仏の精神に由来するとされる。創建当初より大日如来または不動明王を本尊として真言密教の教えを伝え、武蔵国における真言宗の布教拠点の一つとして機能してきたと考えられる。中世から近世にかけては、周辺の農業・商業に従事する地域住民の信仰の場として根付き、護摩祈祷をはじめとする密教儀礼を通じて家内安全・商売繁盛・病気平癒を祈願する参拝者を集めてきた。江戸時代には地域の檀家制度のもとで先祖供養の拠点としての役割を担ったとされる。明治期の神仏分離・廃仏毀釈の波を経…