830年(天長7年)、慈覚大師円仁が無量寿寺として開創したと伝わる。平安・鎌倉期を経て中世には関東における天台宗の拠点として発展したが、戦国時代の争乱により一時衰退した。1599年(慶長4年)、徳川家康の厚い帰依を受けた天海僧正が第27世住職として入山し、寺運は大きく隆盛した。天海は寺号を喜多院と改め、幕府の庇護のもとで伽藍の整備を進めた。1638年(寛永15年)の川越大火で大半の堂宇が焼失したが、3代将軍徳川家光の命により江戸城の建物が移築され、現在も「家光誕生の間」「春日局化粧の間」として伝わる客殿・書院が残る。これらは関東大震災や第二次世界大戦を経て現存し、重要文化財に指定されている。江…