大龍寺は摂津市(旧三島郡域)に位置する真言宗の寺院で、龍神への信仰と密教的な護法思想を融合させた霊場として古くから知られてきたと伝わる。弘法大師空海の伝説には龍神との深い縁が多く語られており、高野山での雨請祈祷や各地の霊水に龍神を鎮座させた話など、密教修法と龍神信仰の結びつきは深い。中世の摂津国では農業用水を守護する龍神への農民信仰が盛んであり、大龍寺もその信仰圏の中で地域に根付いたとされる。江戸時代中期に摂津国八十八箇所霊場が四国遍路の「写し」として整備されると、大龍寺は第67番札所として霊場に列せられた。常光寺(第66番)と隣接するこの地区は摂津国遍路の重要な拠点の一つとなり、今日もなお大…