広智寺は真言宗の寺院として茨木市に長く根付いており、弘法大師空海が唐より持ち帰り日本に広めた密教の智慧を体現する霊場として地域信仰の中心を担ってきたと伝わる。空海は804年に入唐し、恵果阿闍梨より密教の奥義を授かって帰国した。「広智」はその智慧が特定の人々にとどまらず広く一切の衆生に及ぶという大師の願いを体現する寺号といえる。中世には摂津の地侍・農民・商人から幅広い信仰を集め、伽藍が護持されてきたとされる。江戸時代中期、四国八十八箇所を摂津に写した巡礼路が整備され、広智寺は第65番札所として列せられた。以来、大師の密教的智慧に触れることを願う参詣者が代々この地を訪ね、茨木の大師信仰の拠点として…