新宿区大久保に鎮座する稲荷神社で、江戸時代から大久保の農村と商業地域を守護してきた商売繁盛の神。
主祭神は宇迦之御魂大神で、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全の御利益で大久保の商人に信仰されてきた。
大久保はかつて幕府の鉄砲百人組の組屋敷があった武家の町で、稲荷神社はその武家地と農村が混在した地域の守護神として根付いた。
現在の大久保は多文化共生の国際都市として変貌し、稲荷神社の朱鳥居は異国情緒あふれる街の中で日本文化の象徴として際立っている。
毎年2月の初午祭は稲荷信仰の最重要行事で、商売繁盛を祈る大久保の商店主たちが参列する伝統行事が続いている。
朱塗りの鳥居が連なる参道は稲荷神社特有の景観で、新大久保という国際的な街の中で日本の伝統的な信仰景観を形成している。
外国人観光客・在留外国人にとっても日本の稲荷信仰を体験できる身近なスポットとして知られ、参拝者の多様性が際立つ。
商売繁盛の御利益…
大久保稲荷神社は、1650年(慶安3年)頃に創建されたと伝わる稲荷神社である。江戸時代、大久保一帯は徳川幕府の鉄砲百人組の組屋敷が置かれた武家地であり、その周辺には農村集落が混在していた。稲荷信仰は五穀豊穣を祈る農民と商売繁盛を願う商人の両層に広く浸透しており、当社も武家・農民・商人が混在するこの地域の守護神として篤く信仰されてきたとされる。明治維新後の近代化に伴い大久保の土地利用は変容したが、稲荷神社への信仰は地域住民に受け継がれた。20世紀後半以降、大久保は外国人居住者が集まる多文化共生の国際的な街へと大きく変貌した。こうした環境の変化の中にあっても、毎年2月の初午祭をはじめとする伝統的な…