眞如院は台東区上野公園に位置する天台宗寺院で、寛永寺の塔頭のひとつである。「眞如(しんにょ)」とはサンスクリット語の「タターター(Tathata)」の訳語で、「真実のあり方」「物事の本来の姿」を意味する仏教哲学の根本概念である。すべての現象が空(くう)であると同時に縁起によって成立しているという真理を「眞如」と表現し、仏の悟りの境地においてこそその真実が明らかになるとされる。天台宗の教学において「眞如」は三諦(空・仮・中)の理解と深く結びつき、天台の法華経解釈の核心に位置する概念でもある。格式ある院名を持つ眞如院は、江戸時代に大名・旗本の深い帰依を受けた塔頭として法統を守り、1868年の上野戦…