少彦名神社は大阪市中央区道修町に鎮座する神社である。道修町は江戸時代より薬種問屋が軒を連ねる「薬の町」として知られ、現在も多くの製薬企業が本社を置く医薬品の一大拠点である。少彦名命は『古事記』『日本書紀』にも登場する神で、大国主命とともに国土経営に尽くしたとされ、医薬・醸造・温泉の神として古来崇められてきた。道修町の薬種商たちはこの神を守護神として祀り、神農(中国の薬祖神)とともに奉斎したと伝わる。1822年(文政5年)にコレラが大坂に流行した際、薬種商仲間が疫除薬を配布し、虎の張り子を奉納したことから「虎の張り子」が当社の縁起物となり、現在も医薬業界から厚い信仰を集めている。