田辺不動教会は大阪市東住吉区北田辺に位置する法相宗の寺院である。法相宗は飛鳥時代の645年(大化元年)頃、玄奘三蔵(602〜664年)が唐でインド由来の唯識思想を学んで漢訳し、その弟子の道昭(629〜700年)が日本に伝えたことに始まる。唯識思想は「万法唯識」すなわち「すべての現象は心の認識作用に基づく」と説く哲学的・分析的な仏教思想で、奈良仏教の基盤をなした。奈良・興福寺と薬師寺を大本山とする法相宗は奈良時代から続く日本最古の仏教宗派の一つであり、学問仏教としての性格が強い。北田辺の田辺不動教会はその法相宗の法燈を受け継ぐ道場として、不動明王信仰を軸とした修行・祈願の場を地域に提供してきた歴…