京善寺は山号を心王山と称し、心の王たる仏の教えを守護する道場として伝えられてきた真言宗の寺院で、摂津国八十八箇所霊場第41番札所にあたる。寺が立つ大阪市東住吉区桑津は古代から人が暮らした歴史ある集落で、難波宮跡や古代の官道にも近い地域とされる。摂津国八十八箇所は江戸時代中期に弘法大師空海への信仰を基軸として整備された「写し霊場」で、四国遍路に代わる近畿の巡礼路として広く親しまれた。第40番・法楽寺(紫金山)のすぐ翌番として選定された京善寺は、東住吉区内に巡礼路が連続して通るエリアの一端を担い、隣接する札所との間を歩き継ぐ巡礼者の憩いの場ともなってきた。江戸期以来の巡礼の習慣は明治・昭和を経て現…