尾曳稲荷神社の創建は1530年(享禄3年)頃とされ、館林城の築城に際して狐が尾を曳いて城の縄張りを示したとの伝説に基づき、その守護神として勧請されたと伝わる。主祭神は宇迦之御魂神であり、五穀豊穣・商売繁盛の神として城下の人々に崇められてきた。江戸時代には館林城主代々の崇敬を受け、特に17世紀後半、後に第5代将軍となる徳川綱吉が館林藩主を務めた時代には格別の保護を受けたとされる。明治維新後は藩主による庇護こそ失われたものの、地域の氏神・稲荷信仰の中心として民衆の崇敬を集め続けた。近代以降も朱塗りの鳥居が連なる参道の景観が整えられ、館林城跡に隣接する立地とあいまって、城下町の歴史的記憶を今日に伝え…