利田神社の創建年代は明らかでないが、古くから品川入江の海岸近くに鎮座し、市杵島姫命(弁財天)を祀る社として漁師町・品川の人々に崇敬されてきたと伝わる。中世から近世にかけて、品川は江戸湾に面した海運・漁業の要衝として栄え、当社もその地域信仰の拠点であったとされる。近世最大の記録として知られるのが、文政元年(1818年)頃に品川沖へ迷い込んだ鯨の埋葬である。地域の人々はこの鯨を手厚く供養し、境内に鯨塚を築いた。この塚は海と共に生きた品川の漁師文化を象徴する史跡として後世に伝えられ、現在は東京都指定文化財となっている。明治以降、周辺の埋め立てが進み品川入江の景観は大きく変わったが、神社はその地に鎮座…