大阪市天王寺区小橋町・味原町(小橋公園西側)に鎮座する稲荷神社で、祭神は宇迦之御魂大神・猿田彦大神。社伝によれば、仁徳天皇(第16代)がこの地で誕生した際、境内の味原池(あじはらのいけ、現在は池はないが地名として残る)の清水を汲んで産湯に使ったという伝承から「産湯稲荷」の名が付いたとされる。古来難波の地主神・比売許曽神社(近隣の延喜式内名神大社)の境外社として創建されたと伝わる古社で、平安時代から中世にかけて摂津国東成郡の産土神として信仰を集めた。境内には「味原池」の顕彰碑・江戸期の石鳥居・石造狛犬が残り、古代難波宮廷と深く結びついた神社の歴史を偲ばせる。鶴橋駅と桃谷駅の間の住宅街に佇む静かな神社で、古代の仁徳天皇ゆかりの地として地元に親しまれている。