旧上目黒村宿山組の鎮守として古くから信仰された稲荷神社で、祭神は倉稲魂命。創建年代は不詳だが、元禄年間(1688-1704年)に上目黒の寿福寺境内に祀られていた稲荷社を当地へ遷座したと伝わる。社名の由来には二説あり、一説では宿山稲荷講の人々が新橋烏森稲荷へ参拝した帰途、狐が白い馬となって随行した故事に因み「烏森」の名を得たと伝わる。別説では下馬引沢村の新堀新左衛門が寿福寺境内の稲荷神をこの地に移したのが起源とされる。いずれの説でも新橋烏森稲荷との深い縁が強調され、**目黒区の地名「烏森」の由来**となった神社として地域史の要に位置する。昭和29年(1954年)には草葺屋根を瓦葺に改修し、手水舎の吐水口がキツネ顔になっているなど稲荷社らしい風情も残る。雨乞祈願に黒馬を奉納した記録も伝わる江戸庶民信仰の生きた遺産で、中目黒駅から徒歩圏の産土神として今も地域に親しまれる。