海泉寺は大阪市浪速区恵美須西に位置する浄土宗の寺院である。浄土宗は平安末期の治承年間(1177頃)に法然上人(源空)が開宗し、「南無阿弥陀仏」の称名念仏ひとつで極楽往生が叶うと説いた。その教えは武士・庶民を問わず広まり、戦国・江戸期には大坂の町中に多くの浄土宗寺院が建立された。浪速区の恵美須一帯は、古くから商業・市場活動が盛んな地域であり、地域住民の精神的支柱として寺院が果たす役割は大きかった。海泉寺は地名「海」を冠した名にも示される通り、水辺の土地柄と深く結びつきながら、庶民信仰の場として代々の檀家を支えてきた歴史を持つ。