不忍池辨天堂は、天台宗の大本山・東叡山寛永寺を開いた天海大僧正が、寛永年間に不忍池を琵琶湖、中島を竹生島になぞらえて建立した弁天堂である。その境内に祀られる大黒天堂は、天海が比叡山延暦寺の総本尊である大黒天を勧請したものと伝えられ、江戸城の鬼門を護る寛永寺の信仰体系の一部をなした。歴代将軍の帰依を受けた寛永寺の繁栄とともに庶民の参詣を集め、福徳・財運をもたらす神として信仰された。戊辰戦争の上野戦争(1868年)で寛永寺の堂宇の多くが焼失したが、弁天堂とその境内は再興され、現在も大黒天堂は参詣者を迎えている。