まず大事なことをお伝えします。兜の「愛」は、現代の「恋愛の愛」「家族を愛する愛」とは意味が違います。
説1: 愛染明王(あいぜんみょうおう)への信仰
愛染明王は「愛欲」を浄化して悟りへ導く仏教の神様です。戦場で心を乱さず、勝利へ向かうための精神的な拠り所として信仰されていました。
説2: 愛宕権現(あたごごんげん)への信仰
愛宕権現は火難・勝利を守る神様で、戦国武将に広く信仰されていました。「愛宕」の「愛」から取ったという説です。
実は当時の武将が兜に神仏の文字や形を付けることは珍しくありませんでした。上杉謙信(兼続の主君・景勝の前代の主)が「毘」(毘沙門天の毘)の旗印を掲げたことは有名です。
義を重んじた上杉家の精神に、「愛」の字は自然に合っていました。