不動明王は大日如来の教令輪身(きょうりょうりんしん)として五大明王の中央を守り、護摩信仰・魔障除去の中心的な尊格。愛染明王は愛欲(愛の煩悩)を浄化して菩提心に転じる尊格で、縁結び・恋愛成就の祈願に特化した信仰が広まっている。
護摩(ごま、梵語Homa)は密教の火の儀礼で、護摩壇に火を焚き供物と護摩木を投じながら本尊(主に不動明王)に祈願する儀式。炎が煩悩を焼き尽くすことを象徴し、祈願者の願いが仏に届くとされる。初心者でも参加でき、護摩木(100〜300円程度)に願い事を書いて炎に投じることができる。
最も完全な形で見られるのは東寺(教王護国寺)の講堂で、空海が9世紀に設計した立体曼荼羅(21躯)が今もほぼ完全な形で残る。五大明王が中心に据えられ、周囲を五菩薩・五如来・四天王・梵天・帝釈天が取り囲む宇宙の全体図を実物大で体感できる。
不動根本真言「ノウマクサンマンダバザラダン センダマカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」は、本尊像の前で静かに合掌しながら唱える。回数は決まっていないが、3回・7回・21回と奇数が多い。護摩祈祷中は僧侶の読経に合わせて唱えると気持ちが集中しやすい。
成田山新勝寺が関東最大の不動信仰の拠点で、年間約1,000万人が参拝する。江戸時代には「成田詣で」が庶民の一大行楽として定着し、初詣参拝者数でも全国トップクラスを誇る。護摩は1日5〜6回行われ、大きな護摩堂の炎の前に立つ体験は格別だ。