『顕浄土真実教行証文類(けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい)』です。「広文類」「本典」「御本典」などの通称もあります。教行信証はこの正式名称の略称で、室町期の写本以降に定着したと考えられています。
全6巻です。教巻・行巻・信巻・証巻・真仏土巻・化身土巻から構成され、冒頭に「総序」、信巻の前に「別序」、巻末に「後序」が置かれています。前5巻が真実の巻、最後の化身土巻が方便の巻という構成です。
元仁元年(1224年)、親鸞聖人52歳のころに大綱が完成したとされ、その後生涯にわたって加筆修正が続けられました。書誌学的には75歳ごろにほぼ完成、85歳前後まで部分的な訂正が続いたと推定されています。
信巻です。別序が設けられ、本と末に分けて最も多くの分量で書かれており、「他力の信心」という教行信証の中心思想が明らかにされています。「信心正因」(往生の因は真実の信心にある)という親鸞の根本主張が、この巻で論証されます。
親鸞聖人自筆の「坂東本(ばんどうぼん)」が東本願寺(真宗大谷派本山)に所蔵されており、国宝に指定されています。普段は非公開ですが、宗門の節目の年に特別公開されることがあります。
『正信偈(正信念仏偈)』は教行信証「行巻」の末尾に書かれている偈文(120句、7字×60行)で、教行信証6巻の内容を圧縮した要約となっています。「正信偈がすべて分かれば、教行信証がすべて分かる」と言われるほど重要で、毎朝晩の勤行で読誦することは親鸞の教えの核心に毎日触れることでもあります。