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作法
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神前式の意味と作法——日本の伝統結婚式を神社で挙げるの歴史と現地
神前式は神社で行う日本の伝統的な結婚式で、三三九度・玉串奉奠・親族固めの盃が特徴。明治神宮・東京大神宮・八坂神社・出雲大社・鶴岡八幡宮の神前式の特徴と申し込み方法を解説する。
目次
MOKUJI
神前式の歴史——明治時代の大正天皇婚儀が起源
神前式の儀式——三三九度・玉串奉奠の意味
神前式ができる神社——全国のおすすめスポット
神前式の白無垢と装束——衣装の選び方
神前式の費用と申し込み方法
よくある質問
神前式(しんぜんしき)は神社の社殿で神様の前に立ち、二人の縁を神様に見守っていただく日本の伝統的な結婚式だ。白無垢(しろむく)に綿帽子、羽織袴の花婿という凛とした和装が境内に映え、厳かながらも温かみのある式は多くのカップルに選ばれ続けている。
明治神宮の神前式で白無垢を纏った花嫁。綿帽子を合わせた伝統的な装い。(2006年4月29日撮影)
Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0 / photo by Ray Tsang (saturnism)
神前式の歴史——明治時代の大正天皇婚儀が起源
神前式の歴史は意外に新しく、明治33年(1900年)の皇太子(後の大正天皇)の婚儀がモデルとされている。それ以前、一般庶民の婚礼は自宅で行うものだったが、皇室の婚儀が神社で行われたことをきっかけに、明治・大正期に徐々に神社での結婚式が普及した。現在では挙式形式の約30〜35%を神前式が占めるとされる。
神前式・仏前式・キリスト教式・人前式の違いは?
形式
特徴
場所
神前式
神道。神主が執り行い、三三九度・玉串奉奠が中心
神社または神殿
仏前式
仏教。僧侶が執り行い、焼香・誓いの言葉が中心
寺院または仏殿
キリスト教式
キリスト教。牧師・神父が執り行い、指輪交換・誓いが中心
教会またはチャペル
人前式
特定の宗教なし。出席者全員が証人
自由な場所
岐阜県高山市で執り行われた神前式の新郎新婦。花婿は黒五つ紋付羽織袴、花嫁は白無垢の正礼装。(2005年5月21日撮影)
Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0 / photo by Jim Maes (zephyr_jiza)
神前式の儀式——三三九度・玉串奉奠の意味
三三九度(さんさんくど)とは何か?
**三三九度(さんさんくど)**は神前式の中心となる儀式で、大中小3つの盃(さかずき)で清酒(お神酒)を3回ずつ新郎・新婦が飲み交わす。「三」は天地人を表し、「九」は三の三乗として最も縁起のよい数とされる。「固めの杯(かためのさかずき)」とも呼ばれ、二人の縁を固める象徴的な儀式だ。大きい盃から始め、小・中・大の順に飲む説と、小・中・大の順に清酒を注いでいく説がある(神社によって作法が異なる)。
玉串奉奠(たまぐしほうてん)とはどんな意味か?
**玉串奉奠(たまぐしほうてん)**は榊(さかき)の枝に白い紙垂(しで)をつけた「玉串(たまぐし)」を神前に奉納する儀式だ。玉串は神と人の間を取り持つ媒介物で、奉納することで神様に誓いを捧げる意味を持つ。
誓詞奏上(せいしそうじょう)——誓いの言葉
**誓詞奏上(せいしそうじょう)**は新郎が読み上げ、または新郎新婦が共同で読み上げる「誓いの言葉」だ。「神々の御霊に誓い、生涯を共に歩む」という内容が含まれる。神主が事前に誓詞を作成し、式当日に奏上する。
親族固めの盃(しんぞくかためのさかずき)
親族固めの盃は三三九度の後に行われ、新郎新婦の両家の親族全員が清酒を飲み交わす儀式だ。新郎家・新婦家の二つの家族が**「ひとつになる」**ことを象徴する。
三三九度に用いる漆塗りの盃(さかずき)。明治時代作の菊花形金蒔絵盃。花嫁・花婿が大・中・小の三つの盃で神酒を三口ずつ飲み交わす儀式に使われる。(ウォルターズ美術館蔵)
Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0 / Walters Art Museum
神前式ができる神社——全国のおすすめスポット
明治神宮——東京最大の神前式の場
明治神宮(東京・渋谷)は年間1,000組以上が神前式を挙げるとされる東京有数の結婚式場だ。広大な神苑(しんえん)の中にある神楽殿(かぐらでん)で式が行われ、新緑・紅葉の季節は特に美しい。公式サイトから申込みが可能。
東京大神宮——縁結びの神様
東京大神宮(東京・千代田区)は伊勢神宮の遥拝殿として知られ、縁結びの神様として全国から参拝者が訪れる。都内でも特に神前式の申込みが多い神社の一つで、こじんまりとした社殿での式は親密な雰囲気が特徴。
八坂神社——京都・祇園の格式ある神前式
八坂神社(京都・東山区)は祇園の鎮守社として名高い古社で、朱塗りの社殿と祇園の街並みを背景にした神前式は格別の趣がある。京都ならではの和の雰囲気の中で式を挙げられる。
出雲大社——縁結びの最高峰
出雲大社(島根・出雲市)は縁結びの大神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」を祀る日本最大の縁起神社だ。出雲大社での神前式は縁結びの最高峰として、全国から多くの新郎新婦が訪れる。旅行・観光と組み合わせた遠方婚も人気だ。
鶴岡八幡宮——鎌倉武家の聖地での式
鶴岡八幡宮(神奈川・鎌倉)は源頼朝が創建した格式ある神社で、鎌倉の大自然の中での神前式が人気。鎌倉の歴史を感じながら式を挙げる体験は特別な思い出となる。
神事用の玉串(たまぐし)。榊の枝に白い紙垂(しで)を結わえた神前式の必需品。花婿・花嫁が玉串を神前に捧げ、二拝二拍手一拝でお参りするのが「玉串拝礼」。(2009年夏撮影)
Wikimedia Commons / Public Domain / photo by Urashimataro
神前式の白無垢と装束——衣装の選び方
白無垢と色打掛の違いは?
衣装
特徴
意味
白無垢(しろむく)
全身白一色。掛下・打掛・帯・小物すべて白
「嫁ぎ先の色に染まる(純白)」清純さの象徴
色打掛(いろうちかけ)
金・赤・青など色鮮やかな打掛を羽織る
婚礼の華やかさを表す
引き振袖(ひきふりそで)
裾を引く長さの振袖
伝統的な婚礼衣装の一形式
白無垢は神前式に最も相応しい装束とされているが、現代では色打掛での神前式も増えている。花婿は**紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)**が正式だ。
明治神宮の神前式行列(2006年2月18日撮影)。白無垢の花嫁を先頭に、神職・雅楽の楽人・親族が拝殿へと歩む厳かな行列は、神前式の象徴的な場面のひとつ。
Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0 / photo by Shinichi Sugiyama (chez_sugi)
神前式の費用と申し込み方法
神前式の費用はどのくらいか?
費用項目
相場
祈禱料(挙式料)
5万〜30万円程度(神社・内容によって大きく異なる)
衣装(白無垢・紋付袴)
レンタル10万〜50万円程度
着付け・ヘアメイク
3万〜10万円程度
写真・ビデオ
10万〜30万円程度(外部カメラマン手配時)
会食(披露宴)
人数・会場による(別途)
神前式の申し込み方法
希望する神社に直接問い合わせる(神社ごとに受付方法が異なる)
結婚式場・ウェディングプロデュース会社を通じて申込む(神社と提携しているケース)
式の1年〜半年前には申込みを始めることを推奨(人気神社は早期から予約が埋まる)
よくある質問
神前式は氏子(その地域の氏神の氏子)でなくてもできますか?
多くの神社では氏子でなくても神前式を受け付けている。ただし明治神宮・伊勢神宮など有名神社では条件が異なる場合があるため、事前に各神社へ確認することを推奨。
神前式への参列者は何人まで参加できますか?
神社の社殿の大きさによって制限がある。一般的には両家合わせて20〜40名程度が目安だが、小さな社殿では10名程度、大きな神社では50名以上に対応するケースもある。各神社に確認すること。
神前式の当日の流れはどのくらいかかりますか?
挙式本体は30〜40分程度が一般的。準備(着付け・ヘアメイク)を含めると2〜4時間。披露宴・食事会がある場合は別途時間が必要。
神前式で外国籍のパートナーは参加できますか?
外国籍のパートナーでも神前式は可能な神社が多い。ただし宗教的な誓いの内容を理解したうえで参加することが前提となる場合があるため、各神社に確認を推奨。
神前式の後に仏教式の披露宴を行うことはできますか?
式の形式と披露宴の形式は基本的に独立しており、神前式の後に仏教寺院での食事会、西洋的な披露宴パーティーなど様々な組み合わせが可能だ。
最終更新: 2026年4月25日
── 了 ──
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