弁財天・弁天神社は何の神様?——七福神唯一の女神とは
弁財天(ベンザイテン)は七福神の中で唯一の女神であり、インドの水の女神・芸術の女神**サラスヴァティー(Sarasvati)**を起源に持つ。芸能・音楽・弁才・財運・水を司る神として、日本全国の弁天堂・弁財天社で篤く信仰されてきた。
日本における弁財天の信仰は**宗像三女神の市杵島姫命(イチキシマヒメ)**との習合によって独自の深みを持つ。インドから仏教とともに伝来した「弁才天」と、日本固有の海の女神「市杵島姫命」が重ね合わせられることで、芸能・水・財運という幅広い神格が生まれた。
サラスヴァティーはヒンドゥー教最古の女神の一柱で、川・水・知識・音楽・芸術を司る。バラモン教では学問と詩歌の守護神として崇められ、仏教に取り込まれて「弁才天」となり、インド→スリランカ→東南アジア→中国→日本と伝わった。
市杵島姫命は天照大神と素戔嗚尊の誓約(うけい)から生まれた三女神のひとり。玄界灘の孤島・沖ノ島に鎮まる宗像大社の主祭神であり、航海・海上安全・縁結びを司る。弁財天と市杵島姫命の習合は奈良時代以降に進み、今日では同一視されることが多い。