天橋立は古来「天に架かる橋」として神話的な聖地と見なされてきた。『万葉集』や『丹後国風土記(逸文)』にもその名が登場し、仙人や天女が降り立つ天界と地上をつなぐ橋と伝えられた。平安時代には文人たちが絶景を求めて訪れ、その名声は全国に広まった。室町時代の画僧・雪舟(せっしゅう・1420〜1506年)が描いた「天橋立図(あまのはしだてず)」(国宝)は現存最古の景観画のひとつで、俯瞰による写実的な描写で天橋立の全景を捉えた傑作。この絵の視点に対応する「股のぞき」(背を向けて股の間から見ると天橋立が天空の橋に見える)という観覧法が今も名物となっている。天橋立神社は砂洲の中央に鎮座し、砂洲全体を神域とする…