延命院は、享保年間(1716〜1736年)に創建された日蓮宗の寺院である。創建の詳細な経緯については明確な記録が伝わらない部分もあるが、江戸中期に谷中一帯に寺院が集積した時代の流れのなかで、現在の荒川区西日暮里の地に建立されたとされる。谷中の寺町の北端に位置し、日暮里周辺の寺院群の一翼を担ってきた。境内には樹齢600年とも伝わる大シイの木が現存しており、創建をはるかに遡る中世以前から当地に根を張っていたとみられる。この大シイは荒川区の天然記念物に指定され、地域の自然史を今に伝える貴重な存在となっている。明治以降の近代化のなかにあっても寺院としての法灯を維持し、現代においても日蓮宗の寺院として法…