足利田村寺の創建年代は明らかでないが、平安時代初期の武将・征夷大将軍坂上田村麻呂(758〜811)が東征の際に当地に立ち寄り、創建したと伝わる。天台宗に属し、千手観世音菩薩を本尊とする。田村麻呂ゆかりの「田村寺」は関東・東北各地に点在しており、当寺もその一つとして武神信仰と観音信仰が結びついた霊場として崇敬を集めてきた。中世には足利氏をはじめとする武家の信仰を受け、足利の地における武家文化と結びついた寺院として位置づけられたとされる。近世には地域の民衆信仰の場として「田村さん」の名で親しまれ、近隣住民の篤い帰依を受けて法灯を維持してきた。境内には田村麻呂にまつわる伝説を記した碑が残されており、…