別所温泉は、奈良時代の700年頃に僧・行基によって発見されたと伝わる、信州最古の温泉地とされる。平安時代には弘法大師(空海)が来訪し、霊湯として広めたと伝わり、「大師の湯」の名はこの縁起に由来する。中世には鎌倉幕府と深い関わりを持つ北条氏の庇護を受け、13世紀から14世紀にかけて塩田北条氏が塩田平を治めた時代に多くの寺院が建立・整備された。臨済宗の安楽寺(国宝八角三重塔を有する)、天台宗の北向観音堂(832年創建と伝わる)、大法寺(三重塔は国宝)などが相次いで建立・隆盛し、「信州の鎌倉」と称されるほどの文化的集積が形成された。近世には上田藩の支配下に置かれ、温泉地としての機能を維持しながら地域…