長建寺の前身は、深草に所在した多聞院という寺院とされる。元禄12年(1699年)、伏見奉行・建部政宇が伏見の地域復興を目的として多聞院を現在地の中書島近辺へ移転・改称し、真言宗醍醐派の寺院として長建寺を創建した。本尊には鎌倉時代後期作とされる八臂弁財天像が安置され、京都において弁財天を本尊とする唯一の寺院として知られる。この弁財天像は音楽・財富・智恵・延命の守護神として篤く信仰され、正月のみ開帳される秘仏として今日に至る。境内には伏見の名水「閼伽水」が湧き出し、江戸時代以来、伏見の酒造業を支える水源の一つとして重視されてきた。朱塗りの中国風山門は創建以来の異国的な意匠を伝えるものとされ、運河沿…