御香宮神社の創建は貞観4年(862年)に遡るとされる。境内から香り高い水が湧出し、その霊水によって病人が癒されたことから、清和天皇より「御香宮」の勅号を賜ったと伝わる。平安期以来、伏見の産土神として地域の信仰を集めてきた。中世には社運の盛衰があったとされるが、詳細は定かでない。近世に入ると豊臣秀吉が伏見城の鬼門除けとして社領を寄進し、手厚く庇護した。しかし文禄年間(1592〜96年)には秀吉の命により社地が一時伏見城内に取り込まれたとも伝わる。江戸時代初期の元和9年(1623年)、徳川家康の寄進により本殿が造営され、現存する拝殿の極彩色彫刻は桃山文化を色濃く反映した意匠として名高い。明治維新後…