長久院は台東区谷中に所在する真言宗豊山派の寺院である。「長久」とは「長く久しく続く」ことを意味し、国家の平安・家族の長命・寺院の法灯の継続など、永続性への願いを込めた院号である。谷中は1657年の明暦の大火後に多くの寺院が移転・集積したエリアで、現在も100を超える寺院が密集する東京屈指の寺町として知られる。長久院はこの谷中の寺院コミュニティの一員として、江戸以来の旧家・商家の菩提を弔い続けてきた。谷根千(谷中・根津・千駄木)エリアは戦災を免れたことで、江戸・明治期の町並みと寺院群が比較的よく保存されており、現代では下町散策の人気スポットとなっている。長久院はそうした歴史的景観の中に佇み、今も…