道後温泉は日本書紀にも記される日本最古級の温泉地であり、古くから皇室との深い縁を持つ。明治時代に入ると、道後温泉の整備が本格的に進められ、明治27年(1894年)には道後温泉本館が竣工した。その後、皇族の入浴に供するための専用施設の必要性が高まり、明治32年(1899年)に又新殿(ゆうしんでん)が本館に隣接する形で完成した。又新殿は木造の純日本建築で、皇室専用の浴室「玉の湯」と御居間を備え、格式ある意匠が随所に施されている。実際に皇族が使用した記録も残されており、その歴史的・文化的価値は高く評価されてきた。昭和に入ると文化財保護の機運が高まり、又新殿は道後温泉本館とともに国の重要文化財に指定さ…