承応3年(1654年)、材木商・冬木家の初代冬木直次が近江国竹生島の弁財天を勧請して屋敷内に祀ったのが起源の弁天堂。冬木家は深川の豪商として栄え、広大な屋敷と庭園を有していた。元禄年間には琳派の巨匠・尾形光琳が冬木家に寄寓し、冬木家の妻の小袖に秋草模様を描いた「冬木小袖」(現・東京国立博物館蔵、国宝級の文化財)を制作したことで美術史に名を残す。光琳は江戸滞在中に冬木家の庇護を受け、この地で多くの作品を制作したとされる。弁財天は芸術・学問・財福の神として信仰され、深川七福神の弁財天を担う札所として正月の七福神巡りでは多くの参拝者が訪れる。小さな境内ながら朱色の堂宇が美しく、光琳ゆかりの地として美術愛好家にも知られている。東京メトロ門前仲町駅から徒歩5分。