湯の川温泉の開湯は1653年(承応2年)と伝わる。発見の経緯については、傷を負った猿が湯に浸かって癒されたのを地元の人々が目撃したことが契機とされ、この故事にちなんで湯倉神社が温泉の守護社として祀られてきた。江戸時代には松前藩の庇護を受け、藩主の御殿湯として用いられたとも伝わり、近世における温泉地の基盤が形成された。明治維新以降、北海道の開拓が本格化するとともに湯の川温泉も広く知られるようになり、明治・大正期には療養や保養を目的とした旅館が相次いで整備された。昭和期には函館市の発展と交通網の整備を背景に観光温泉地としての性格を強め、北海道三大温泉の一つに数えられる存在となった。津軽海峡に面した…