前神寺の創建は天武天皇の時代にあたる685年頃とされ、役小角(役行者)が石鎚山で修行を行い草庵を結んだのが起源と伝わる。石鎚山は古来より霊峰として崇められ、前神寺はその山麓に位置する修験道の根本道場として発展した。平安時代には石鎚神社の神宮寺として機能し、石鎚山信仰の仏教的拠点となった。中世・近世を通じて修験者や四国遍路の参拝者を集め、霊場としての格式を高めた。江戸時代には藩主の庇護を受け、西条藩域における重要な宗教施設として栄えた。1868年(明治元年)の神仏分離令により、石鎚神社との関係が切り離され、寺院としての独立を余儀なくされた。廃仏毀釈の影響を受けながらも廃絶を免れ、阿弥陀如来を本尊…