曼荼羅寺は推古天皇4年(596年)頃の創建と伝わる古刹で、当初は「世坂寺」と称していたとも伝えられる。大同年間(806〜810年)に弘法大師空海がこの地を訪れ、唐から請来した金剛界・胎蔵界の両曼荼羅を奉納して堂宇を再興したことから「曼荼羅寺」の寺名に改めたと伝わる。これが現在の第72番札所としての基礎となった。境内には「筆捨松」の伝説が語り継がれており、大師が境内の松を絵に描こうとしたが、風に揺れる松を描き切れず筆を投げ捨てたという逸話が残る。中世には兵乱の影響を受けたとも伝わるが、近世には四国遍路の整備に伴い第72番札所として位置づけられ、遍路文化の中に組み込まれていった。現在は真言宗善通寺…