甲山寺は、弘仁13年(822年)に弘法大師空海によって開創されたと伝わる。大師が善通寺建立の用材を調達するにあたり、甲山(かぶとやま)を霊地と定め、岩窟に薬師如来像を刻んで安置したのが草創とされる。この薬師如来は大師直作と伝わり、また大師が三千の仏像を刻んだという岩窟が境内に現存し、岩壁を背にした本堂の独特の景観を形成している。中世には兵火などの影響を受けたとも考えられるが、詳細は定かでない。近世には四国遍路の隆盛とともに第74番札所として広く知られるようになり、病気平癒・健康長寿の霊場として多くの参拝者を集めてきた。甲山の頂上付近には奥之院が設けられ、大師が鬼を法力で退治したという伝説ととも…