金倉寺は774年(宝亀5年)、光仁天皇の勅願により、和気道善が創建したと伝わる。当初は「牛馬を守る薬師」として地域に信仰された薬師如来を本尊とし、金光明寺と号していたとされる。その後、弘法大師空海が再興・整備したとも伝わり、四国八十八箇所第76番札所に定められた。平安時代の814年(弘仁5年)、天台宗中興の祖として知られる智証大師円珍がこの地で誕生したと伝わる。円珍は後に比叡山で修学し、853年に入唐して天台・密教の教典を多数将来。帰国後は比叡山園城寺(三井寺)を拠点に天台密教の発展に大きく貢献した。金倉寺はかつて天台寺門宗の霊場としても位置づけられ、真言宗と天台宗の両祖師にゆかりを持つ稀有な…