一乗寺は台東区谷中1丁目に位置する日蓮宗寺院で、その名は法華経に説く「一乗」(すべての衆生が一つの乗り物で悟りに至るという教え)に由来すると伝わる。谷中が江戸の寺院密集地として整備された江戸時代中期以降、一乗寺は日蓮宗の法灯を守りながら近隣の商人・職人層の菩提寺として機能してきた。明治以降の近代化の波の中でも谷中の寺院群は比較的保存状態が良く、関東大震災(1923年)や東京大空襲(1945年)による被害を乗り越えながら、現在の谷根千の文化的景観を形成している。一乗寺も谷中の日蓮宗寺院のひとつとして、その歴史の継承に寄与してきた。