甚内神社は、江戸時代の侠客・服部甚内(はっとりじんない)を祀るとされる珍しい神社である。服部甚内は「人斬り甚内」とも呼ばれ、悪人を切り、弱者を助けたという義賊伝説で民間に語り継がれてきた。その義侠心が庶民の共感を呼び、死後に神として祀られるようになったとされる。こうした侠客・義人が民間信仰の対象となる現象は江戸時代に各地で見られ、庶民が公権力に頼れない時代の民衆の精神的支柱となった。浅草橋周辺は江戸時代から問屋街・職人町として栄えており、甚内神社は庶民の守り神として町の中に根付いた。現在も小さな社が地域住民に大切にされている。