成就院は、応仁の乱(1467〜1477年)による戦火で荒廃した清水寺を再興した願阿上人によって、文明2年(1470年)頃に創建された清水寺の塔頭寺院である。室町時代に連歌師・画家として知られる相阿弥の作と伝わる「月の庭」(つきのにわ)は、国の名勝に指定され、池面に映る月影の美しさから「雪月花」三名園の一つに数えられている。江戸時代には清水寺の経営を担う中心的な塔頭として機能したとされる。幕末期には尊王攘夷運動に深く関わった勤王僧・月照上人(1813〜1858年)が住職を務め、薩摩藩士・西郷隆盛との交流の舞台となった。月照は安政の大獄による弾圧を逃れるため西郷とともに薩摩へ下り、錦江湾に入水した…