得浄明院は、明治27年(1894年)に信州善光寺大本願第117世・誓圓尼公によって創建された天台宗の尼寺である。善光寺大本願は奈良時代以来の歴史を持つ善光寺の本坊であり、得浄明院はその京都別院として設立された。本尊には信濃善光寺と同体とされる一光三尊阿弥陀如来の分身が安置され、関西の信者が善光寺参りと同等の功徳を得られる霊場として開かれた。境内には信州善光寺と同じ形式の「お戒壇巡り」が設けられ、本尊の下を暗闇の中で歩く修行体験が受け継がれている。近代以降も尼寺としての法灯を守り続け、知恩院古門前に位置する現在地にて法脈を維持している。毎年春には境内に一初(いちはつ)が咲き誇り、この時期に特別公…