円山公園一帯はもともと長楽寺・安養寺などの寺院の境内地であり、八坂神社の神域とも接する歴史的な土地であった。明治初期の神仏分離令や廃仏毀釈の影響を受けてこれらの寺院境内の一部が整理されたのち、明治19年(1886年)、京都府によって公園として整備・開園された。これが京都市最古の都市公園の誕生である。明治期には小川治兵衛(植治)による作庭が行われ、池泉回遊式の日本庭園が形成されたとされる。公園中央に植えられた枝垂桜は「祇園枝垂桜」の名で親しまれ、初代の木は長らく京都の春の象徴として人々に愛されてきた。初代が枯死した後、現在の2代目(一重白彼岸枝垂桜)が植えられ、樹齢は約90年を数える。昭和初期に…