慶長初期(1597年以降、二ヶ領用水・六郷用水の工事中)に小杉陣屋の裏手に建立された日蓮宗(富士派)の寺院跡。陣屋を築いた用水奉行・小泉次大夫吉次が用水工事完遂を祈念するために開基となり、安房国小湊の保田妙本寺から日蓮宗僧・日純を招請して開山に据えた。徳川家康・秀忠は当地を訪れる際にしばしば妙泉寺に立ち寄り、日純と歓談したと伝わる。元和5年(1619年)に小泉次大夫が隠居の際に妙泉寺を川崎領砂子(現・川崎区宮前町)に移し、寺名を「妙遠寺」と改めた後は、小杉陣屋町の当地には祖師堂のみが残されていたが、現在は観音堂が建てられている。小杉御殿・小杉陣屋・妙泉寺は徳川初期の小杉地域経営を示す三位一体の史跡として、川崎市公式の名所旧跡に含まれる。