川崎市中原区小杉陣屋町に現存する江戸時代末期(19世紀中期〜後期)建造の木造平屋建・寄棟造・桟瓦葺の長屋門で、中2階を備える雄大な武家建築。安藤家の祖は小田原後北条氏の家臣・安藤大炊助重虎で、天正18年(1590年)の後北条氏滅亡後に小杉村に土着帰農したと伝わる。江戸時代には橘樹郡小杉村の割元名主として代官の指揮下で近隣村々の名主を統括し、中原街道沿いの有力農家として地域行政を担った。当初は茅葺屋根だったが大正7年(1918年)に桟瓦葺に改造、関東大震災後に西室が居室へ改造されたものの、長屋門の骨格は江戸期のまま現存する。平成24年(2012年)11月に川崎市重要歴史記念物に指定され、武蔵小杉の都市開発の中で江戸期の武家・豪農の生活空間を今に伝える稀少な現存遺構となっている。