黒塚古墳は奈良県天理市に所在する前方後円墳で、1997年から1998年にかけての発掘調査によって33面もの三角縁神獣鏡と1面の画文帯神獣鏡が出土したことで一躍有名になった。全長130メートルほどの墳丘は3世紀後半(古墳時代前期)に築造されたと推定され、大和古墳群の一翼を担っている。三角縁神獣鏡は邪馬台国・卑弥呼と魏の関係を示す「魏鏡」との関連で従来から注目されており、これほど大量に一基の古墳から出土した例はなく、考古学界に衝撃を与えた。石室は竪穴式で、副葬品の保存状態も良好だった。現在、墳丘は史跡として保護されており、出土品は隣接する天理市トレイルセンターや奈良県立橿原考古学研究所附属博物館で展示されている。古代の鏡が語りかける謎多きヤマト王権の歴史は、多くの研究者と観光客を引きつけてやまない。