西殿塚古墳は奈良県天理市に位置する大和古墳群内の前方後円墳で、全長234メートルに達する大型墳墓である。4世紀初頭に築造されたと推定され、宮内庁によって「手白香皇女衾田陵」として管理されているが、学術的にはより早い時期の首長が被葬者の可能性が高いとされる。三段築成の整然とした墳形を持ち、周囲には周濠が巡らされている。大和古墳群は柳本古墳群とも呼ばれ、西殿塚古墳のほか、行灯山古墳(崇神天皇陵)や渋谷向山古墳(景行天皇陵)などの超大型古墳が集中する日本屈指の古墳密集地帯を形成している。古代ヤマト王権の誕生期を象徴するこの地域全体が、古代国家形成の生きた証人といえる。周辺は「山の辺の道」と呼ばれる古道沿いに整備されており、ハイキングコースとしても人気が高い。