瑞光山久遠寺は、慶長16年(1611年)に創建された日蓮宗寺院である。慶長15年(1610年)から翌年にかけて行われた「清洲越し」により、徳川家康の命で清洲の町が名古屋へ移転した際、寺院もまた那古野の地へと移されたとされる。これにより名古屋城下の西区那古野周辺には日蓮宗寺院が集中し、いわゆる「日蓮宗寺町」が形成された。久遠寺はその一画に位置し、地域の法灯を守る古刹として機能してきた。近世を通じて寺町の中核的な存在として信仰を集め、江戸期の城下町整備とともにその伽藍が整えられたと伝わる。近代以降も日蓮宗の信仰拠点として継続し、名古屋市内の宗教的・歴史的景観を形成する寺院の一つとして現代に至る。山…