大報寺は1495年(明応4年)、後北条氏の祖・北条早雲(伊勢宗瑞)の帰依によって創建されたと伝わる日蓮宗の寺院である。小田原城の鬼門(北東)を守護する寺として位置づけられ、城下における宗教的・軍事的な要衝として重視された。北条氏五代にわたる治世においても篤い保護を受け、寺勢を拡大したとされる。1590年(天正18年)、豊臣秀吉による小田原攻めで後北条氏が滅亡すると寺も打撃を受けたが、その後徳川家康の保護下に入り、寺格を維持した。江戸時代には小田原藩の寺町の一翼を担い、地域信仰の中心として機能した。本堂には日蓮聖人の真筆と伝わる曼荼羅が所蔵され、古くから参詣者の信仰を集めてきた。明治以降も日蓮宗…