下落合の台地上に鎮座する旧下落合村鎮守で、創建は第5代孝昭天皇の御代(紀元前5世紀頃)との社伝を持つ新宿区屈指の古社。祭神は素盞嗚命・奇稲田姫命・大己貴命の三柱で、素戔嗚尊のみを祀る豊島区高田の氷川神社が「男体の宮」と称されたのに対し、当社は妻・奇稲田姫を主とすることから「女体の宮」と呼ばれ、両社を併せて「夫婦の宮」として古くから信仰された。江戸期には「氷川明神社」と称され、『新編武蔵風土記稿』にも下落合村の総鎮守として記される。現在の社殿は第二次世界大戦の戦災で焼失した旧社殿に代わって昭和26年(1951年)に再建、鳥居は昭和60年(1985年)に再建された。周囲は昭和初期「落合文化村」として作家・画家が居住した文化的地域で、佐伯祐三・林芙美子・古賀忠道など多くの文人が当社の森を描いた。落合の崖線と神田川が作る起伏地形の最上段に位置し、社殿から境内を一望すると武蔵野の原風景が今もかすかに…