浄瑠璃寺の創建は永承2年(1047年)、奈良興福寺の僧・義明(ぎめい)が当地に薬師如来を本尊として開創したとされる。当初は薬師如来の浄土「東方瑠璃光浄土」を表す寺院として建立された。嘉承2年(1107年)、興福寺一乗院の僧・恵信が阿弥陀如来九体を造立し、本堂を九体阿弥陀堂として整備した。これが現在国宝に指定される本堂である。同時期に三重塔(国宝)も建立され、池を中心とする浄土式庭園とともに、平安時代後期の浄土信仰の理想空間が完成した。鎌倉時代には興福寺・西大寺の影響下で真言律宗の寺院として再編され、叡尊らの戒律復興運動の拠点の一つとなった。中世から近世にかけて荒廃と再興を繰り返したが、本尊と国…